任意売却横浜、コンサルタントの丸山です。
さて今回は、「ゆとり返済ローン」についてです。
ゆとり返済ローンとは、かつての住宅金融公庫が取り扱っていた住宅ローンのことです。
ゆとり返済ローンの特徴は、最初の数年間は、低い金利設定をすることによって、
当初返済金額が低く抑えられることです。
ゆとり返済ローンを利用すれば、年収や自己資金があまりなくても住宅購入が可能でした。
ゆとり返済ローンのコンセプトは、年齢とともに所得(収入)が増えることを前提とした、終身雇用体系の給与が根拠でした。
借入から数年経った後、年齢とともに収入が増えたのにあわせて、返済金額を増やす設定です。
なぜなら当時バブル崩壊していましたが、それでもなお不動産価格は、再び上昇していくだろうという見通しがあったのです。
当時、ゆとり返済ローンを利用し、マイホームを購入した人は
「返済金額が上がる頃には、給与も増えているはずなので、問題ないでしょう。」
という不動産業者のトークを鵜呑みにして、皆信じていたのです。
ところが、、、、
景気はますます悪化。
不動産価格はさらなる下落を続け、終身雇用は崩壊してしまうような状態にまで。
多くの会社では、生き残りをかけてコスト削減策を取り入れていきました。
その結果、有期雇用の派遣社員などが増加し、正社員は賞与が削減され、リストラをされる状況までになり、
給与は上昇するどころか、減少すらしていく状況にまでなってしまったのです。
こうした中、ゆとりローン返済での毎月の返済金額は通常金利に戻ることで、返済金額が膨れあがります。
最初の数年間は、ほとんど金利のみの支払です。
元金が殆ど減っていませんので、金利上昇以降の支払いは、当初と比較すると大幅に返済金額が増えます。
まさに、ゆとり返済ローンの思惑とは裏腹の景気状況となったことで、
時代の流れにそぐわない問題点が出てきてしまったのでした。
この結果、ゆとり返済の当初の数年を経過した利用者から、住宅ローンの滞納者が続出し、
自己破産などを選択される方が急増して、社会問題にさえなりました。
その後も、支障をきたすローン利用者が相次いだため、最終的には住宅金融公庫の
ゆとり返済ローンは廃止されることとなったのです。
言うまでもないことですが、ゆとりローン制度が終了しても、ローン自体は残ります。
ゆとりローン返済額が増えることを懸念して、住宅ローンの借換えなどをされる方もいましたが、
それができない方もおり、結果として、任意売却を選択された方はかなりの数いらっしゃいます。
現実に、今まさに苦しんでいる方が沢山いらっしゃるのです。
今後の景気先行きに対する見通しは、残念ながら、確実に明るくなるとはいえないでしょう。
恐らく、ゆとり返済ローンの利用者は、現在、50歳以上の方がほとんどでしょう。
年齢的なことを踏まえると、今後毎月のローン返済額は、かなりの負担となるのは確実です。
任意売却によって、もし解決できるのであれば、少しでも早く対処したほうが良いです。
精神的にかなり楽になれるはずです。取り扱い窓口の金融機関でも良いですので、
ぜひ早めのご相談をオススメいたします。
丸山